google.com, pub-9670768141319791, DIRECT, f08c47fec0942fa0
top of page

「データを読み解く」② ― 値上げと満足度、その先にある現実


ree

美容業界ではここ最近、高単価メニューへの移行が進んでいます。髪質改善を中心とした提案型のメニュー展開や、カットカラー+αのセットで15,000円前後という価格設定も一般的になりつつあります。しかし、その一方で見落とされがちな「現実」があります。


【高単価顧客は2割という現実】

全国的なデータを見ると、常に高単価メニューを選ぶ顧客は全体のわずか2割程度にすぎません。つまり、残りの8割は“そこまで払いたくない”と考えている層である、という事実です。

高価格の訴求に成功したように見えても、実際には「いつの間にか高くなっているから美容室変えようかな」という声をよく聞きます。平均単価が上がると比例して客数が減少する──この傾向は、データ上でも明らかです。

売上は単価×客数です。どちらかが大きく落ちれば、安定した成長は見込めません。単価を重視するあまり、満足度とのバランスが崩れて来店客数を減らしてしまうと、経営リスクはむしろ高まるのです。


【安定成長の鍵は“ボリュームゾーン”】

では、どこに視点を置くべきか?

それは、「自店のお客様の支払額における最頻ゾーン(ボリュームゾーン)はどこか?」を明確にすることです。全国の平均単価は7,000円弱であり、8,000円〜12,000円というゾーンは実はボリューム層の上限に近い領域です。

この“厚みのある層”を中心に据え、その範囲をじっくり広げていくことこそが、再現性・持続性のある成長路線になります。ボリュームゾーンを厚くする、広げることが安定成長の鍵なのです。

高単価顧客だけに依存せず、ボリュームゾーンで確かな満足を生み出す。その積み重ねが、売上のベースを安定させ、やがて自然な単価アップにもつながります。


【価格戦略も“データを読み解く力”から】

商売は「どれだけ売ったか」ではなく、「どれだけ続けられるか」。今どの価格帯が強く、どこに可能性があるのか──その答えは、お客様の支払実績という“データ”が教えてくれます

顧客ごとのメニュー選定と支払額を分析することで、より惹きつけるメニューの提案も可能になります。また、「通いやすいお店」としてのブランディングにもつながり、長期的なファンづくりに貢献します。

価格設定もブランディングも、“感覚”ではなく“分析”から。

本質を見極めた戦略こそが、安定成長の最短ルートなのです。

コメント


bottom of page