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「データを読み解く」①――値上げと満足度の関係

更新日:7月16日



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美容センサスなどの調査データによると、5年で女性の美容室での利用額は平均で約1,000円近く増加しています。一見、業界が活性化しているようこのにも思えますが、実際にその中身を読み解いていくと、必ずしも好調とは言いきれない現実が見えてきます。


【高価格帯の客層が増えている?実態は違う】

現在、美容室で10,000円以上を使う層は全体の約18%程度にとどまっています。そして4,000円~10,000円の価格帯の層が、いまだ50%以上を占めているのが現状です。

つまり、業界としては高価格帯への移行を目指して値上げや高単価メニューを押し進めていますが、消費者の大半は中価格帯にとどまっているという構図です。


【「単価上昇=美容意識向上」ではない】

高単価化の理由について、消費者側の体感はどうか?調査では明確に「値上げが理由で支出が増えている」と答えた人が大半を占めています。

一方で、カラーやトリートメントなど、メニューの追加による金額増加はごくわずかです。つまり、美容意識が高まって支出が増えたのではなく、単純に価格が上がっただけという認識の方が多いのです。


【問題は「値上げ」そのものではない】

データを見て伝えたいのは、値上げ=悪ではないということです。値上げに見合う「納得感」、それを上回る「驚き」「嬉しいギャップ」などが提供できているか?なのです。

満足感が伴わない値上げは、低価格帯の美容室へのシフトを加速させます。その結果、価格競争が激化し、業界全体の価値が下がってしまう可能性もあります。

なので、価格の引上げとともに注視しておくべきは、客数の変化です。売上増➩客数減になっているサロンが増えていますが、売上減➩客数減になる分水嶺を見極める必要があります。


【「価格以上の体験」が、次の集客戦略になる】

今、求められているのは「高くなっても、行きたい」と思われるサロンづくりです。単なる値上げではなく、プラスαの体験や魅力的な提案を加えた戦略的価格設計が不可欠です。

値上げは誰でもいい気持ちにはなりません。同時に+αのサービスを期間限定で実施するなど、満足感を上げる工夫も必要です。メニューづくりは皆さんのお得意分野ではないでしょうか。

数字を読むことは、未来を読むこと。美容業界が健全に成長するには、“価格”を語る前に、“満足”を作る戦略”が必要です。


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