お客様の財布のヒモは確実に締まっている――最新調査から読み解く美容室の未来
- michio kobayashi
- 9月16日
- 読了時間: 3分

美容室の「立ち位置」が問われる時代に入ったかもしれません
ホットペッパービューティーアカデミーが発表した最新の「美容センサス(2025年版)」では、見過ごせないデータがいくつも出てきました。
まず、美容室に使われる年間金額は、2024年:32,819円 → 2025年:30,570円へと大きく減少。
さらに1回あたりの平均支出額も、8,746円 → 8,175円と571円のマイナス。
この「571円の減少」は、実はここ1年で上昇した食品の物価上昇幅(6〜7%)とほぼ一致しているのです。つまり、お客様は美容室の利用を、節約の対象としているということです。
美容室は「生活必需」ではなく「贅沢品」と見なされている
この事実が何を意味するか。それは、美容室という業種が、お客様にとって“生活に必須の支出”ではないという位置付けになっているということです。
値上げは正当でも、許容されるとは限らない
お客様の価値判断が、私たちの提供価値とズレていないか?
リピートされる理由、離脱される理由を感覚でなく数字で見ているか?
こういった問いが、これからの経営に求められていきます。
実は「大都市圏の利用回数」は微増している
一方で、東京や大阪など一部の大都市圏では、美容室の年間利用回数が0.1〜0.2回改善したというデータもあります。
詳細を見るとカットの回数は増え、カラーの回数や縮毛矯正は減っている傾向が見えてきます。
これは、立地・商圏・ターゲティングの組み方次第では、まだ勝ち筋があるという裏返しでもあります。
価格は正義にならない。むしろ「戦略」が問われている
2020年以降、原材料費や人件費の高騰を背景に、料金を値上げしてきたサロンは多いでしょう。その判断自体は正しかったはずです。
しかし、今、その値上げ分が「お客様の判断」で払い戻されている状況が生まれています。
だからこそ今、「単価を上げる」ことにあだわるのではなく、
時間単価を上げる(効率性と満足度を両立)
来店頻度を落とさず維持する工夫をする
“選ばれる理由”を設計する
という、経営視点での対策が不可欠です。
選ばれるサロンへ。いまこそマーケティングの視点を
私たちが提供しているサービスは、まさにこのような逆風の中でも、お客様の「欲しい」と思ってもらえる仕掛けを設計する仕組みです。
HPB内のページ離脱を防ぎ、予約率を改善
来店までの「感覚的なズレ」を補正する訴求設計
自サロンの“強み”を数値で見える化し、武器に変える
価格に苦しむ前に、まずはマーケティング視点の経営を整えていきましょう。
終わりに
最近繰り返しお伝えしていますが、新規来店が急速に減っているとの声を頻繁に効くようになりました。また、新規向けの価格が目に見えて落ちている地域もあります。
値下げ勝負に活路を見出すのは、人件費が上がっている現状では消耗戦を挑むようなものです。乗り切ったとしても余力がなくなってしまい、結果的に商売は縮小せざるを得ません。
目の前のお客様が減っていくのは、決して技術や努力が足りないからではありません。時代の波を読み、適切な舵を切ることが、いま求められているのです。
従来の発想が通じなくなっているのが「今」です。お困りになる前に、
お早めにご相談ください。



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