そのロイヤル施策、実は“後付け”です。選定より先にやるべきこと。
- michio kobayashi
- 1月6日
- 読了時間: 4分

はじめに
多くのサロンで行われているロイヤルカスタマー施策は、
ほぼ例外なく 「年間いくら使ってくれたか」 だけで選定されています。
正直に言います。
それだけでは、ロイヤル施策としては不十分です。
なぜならそれは
「結果を見て後から名前を付けているだけ」
だからです。
1. ロイヤルカスタマーは「作るもの」か「選ばれるもの」か
結論から言います。
ロイヤルカスタマーは 作ろうとして作れるものではありません。
ただし、
選ばれやすい設計は、明確に存在します。
重要なのは
全員をロイヤルにしようとしないこと
むしろ「選ばれない人が自然に離れる構造」を作ること
ロイヤル化とは、万人向けをやめる勇気 です。
2. 「年間金額」だけでの選定が危険な理由
多くのサロンが
年間〇万円以上
上位〇%
でロイヤルを区切ります。
ここで、決定的に抜けている視点があります。
必ず分けるべき2軸
来店回数が多い人
1回あたりの金額が高い人
たとえば
年間10万円
└ 月1回1万円の人
└ 半年に1回5万円の人
この2人を同じ「ロイヤル」と呼ぶのは、施策設計としては雑すぎる。
求めている価値も、刺さる還元も、維持の方法も、まったく違います。
3. 問題は「なぜそうなったか」を誰も説明できないこと
ここが一番致命的です。
多くのサロンは
なぜ頻繁に来るようになったのか
なぜ単価が上がったのか
これを 自分たちの言葉で説明できません。
理由はシンプル。
設計していないからです。
結果として
「気づいたらロイヤル客になっていた」
「たまたま相性が良かった」
──つまり なりゆき。
その状態に対して
「ロイヤル向け施策」を後付けで打っても、再現性は生まれません。
4. 本当にやるべきは「ロイヤル化プロセス」の設計
ロイヤル施策で本当に必要なのは
選定基準ではなく、プロセス設計です。
考えるべきはここです。
どのタイミングで
どんな体験を与えると
来店回数が増えるのか
単価が上がるのか
判断を任せてもらえるのか
これを意図して作っているか?
それとも結果を眺めているだけか?
ほとんどのサロンは後者です。
5. ロイヤル客ほど、実は「何も言わずに離れる」
ここは肝です。
ロイヤル客は
クレームを言いません
不満を説明しません
理由は簡単。
わざわざ言うコストを払わないからです。
本当に怖いのは怒っている人ではなく、黙って来なくなる人。
だからロイヤル施策は「満足度アンケート」ではなく
沈黙をどう拾うかの設計が必要になります。
6. LINE・DMは「囲い込み」ではない
ロイヤル向けLINEやDMで、よくある失敗があります。
情報を送っているつもり
実は“お店都合の連絡”
ロイヤルに必要なのは情報提供ではなく、関係維持。
言い換えるなら「伝える」ではなく「確認する」。
・今の周期で無理はないか
・前回の仕上がりはどうだったか
・次を考えなくていい状態を作れているか
ここがズレると、一気に「うるさい店」になります。
7. 「また来ますね」を本気にしてはいけない理由
これは経験上、断言できます。
行動と感情は一致しません。
「また来ますね」は
社交辞令としては優秀ですが、KPIとしてはゴミです。
見るべきは
その場で次回が決まっているか
帰宅後に考えなくて済む導線があるか
ロイヤル化は言葉ではなく、判断を減らす設計です。
8. 単価を上げても離れない人の共通点
最後に、ここが核心です。
ロイヤル客はお金で選んでいません。
彼らが支払っているのは
判断コスト
比較コスト
失敗リスク
つまり「考えなくていい場所」になっているかどうか。
価格は結果であって、理由ではありません。
まとめ
ロイヤルカスタマー施策とは
選定ではなく設計
優遇ではなく構造
結果ではなくプロセス
です。
そして一番多い失敗は
設計していないのに、再現性を求めていること。
ここを腹落ちさせるだけで、ロイヤル施策の精度は一段上がります。
ちゃんと向き合えば、
これは「売上施策」ではなく経営の安定装置になります。



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